平均25㎝前後に成長する中型種であるトリム系プレコ。
特にスカーレットトリム系(L24、L25)は大変人気のある魚種だ。
然し、その飼育方法は一般的な淡水魚飼育とは違う。
今回は私が実際にスカーレットトリムプレコを飼育している経験から初心者向きに最初に揃える機材について書いた。
特に水槽とフィルターに集点を当て解説しているので、是非とも参考にしてもらいたい。
- スカーレットトリムプレコ(L24)
- ウルトラスカーレットトリムプレコ(L25)
- ドラゴンスタークラウンプレコ(L029)
- オレンジフィンレオパードトリムプレコ(L114)
飼育水槽
魚を飼育するのに必要不可欠な水槽。
先ずはトリムプレコを飼育するのに適した水槽について書きたい。
水槽サイズと略称
この記事内での水槽サイズと略称について最初に明記する。
- 30㎝水槽 w30xh30xd30 略称:30キューブ
- 45cm水槽 w45xh30xd30 略称:45水槽
- 60㎝水槽 w60xh36xd30 略称:636
- 90㎝水槽 w90xh45xd45 略称:945
規格水槽
- 45cm規格水槽 w45xh45xd45 略称:4545
- 60㎝規格水槽 w60xh45xd45 略称:645
90㎝水槽とは90cmx45cmx45cmの水槽のことで、略称で9045という。
昨今流通している90cmx30cmx30cm等の規格は、90㎝水槽とは呼べない。
理由は奥行きがない分だけ水量が少ない。
水量の面で不利なので敬遠される。
おすすめの水槽サイズ
10㎝程度の幼魚2匹なら30キューブから始めてもOK。
まあ、初心者なら水質管理しやすい636水槽スタートがおすすめ。
20㎝級トリムにもなると単独飼育でも4545以上が欲しくなる。
多頭飼いなら645や945の規格水槽で飼育すると安心。
我が家は25㎝トリム種4匹で90㎝規格水槽で落ち着いている。
本当なら120㎝水槽が欲しいのだが、日々のメンテナンスや水替えを考慮して9045で落ち着いた。
水槽台とマットが必要
家に水槽を設置するには下記2点が必要。
- マット
- 水槽台
水槽マットは必ず敷こう。
荷重を均等に分散させられるものを優先し、滑り止めとして機能すれば尚良い。
水槽台は木製かアルミ製を選ぶといい。
10,000円程度の水槽台は強度が非常に悪いので、その価格帯のメーカー製は信用しないこと。
できればアルミ製か自作の木製が自動車でも支えられるので吉。
ガラス水槽とアクリル水槽
ガラス水槽は透明度が落ちて重たいが、磨き傷が付き難くて安価。
アクリル水槽は透明度が高くて軽くて丈夫。
然し、非常に傷つきやすく価格がかなり高い。
昨今ではオールガラス水槽でも上部式フィルターでも使うことができるようになった。
予算と好みで選んでいいだろう。
フィルター
トリムプレコの飼育ではフィルターが重要。
フィルターは外部式か上部式がおススメ。
個人的に初心者にお勧めなのは外部。
理由は、プレコ飼育に重要なエアレーションと水流の両方をフィルター1基で賄えることが多いから。
ここでは外部式フィルターと上部式フィルターについて簡単に解説したい。
外部式フィルター
外部式フィルターのメリットとデメリットを大雑把にプレコ飼育の観点で解説します。
外部フィルターのメリット
まず、外部式フィルターの最大メリットは強い水流が起こせることにつきる。
プレコは水流がないと成長が遅くなる。
また、食欲や元気が出なくなり病気にもなりやすい。
さらに外部フィルターの吐出口にディフューザーを付けるのがおススメ。
そうすると、エアレーションと水流を外部フィルターだけで賄えるようになる。
ディフューザー付けると吐出口が狭くなる。
故に詰まりやすくなり、環境によっては水流が弱くなるので注意が必要。
外部フィルターのデメリット
外部式フィルターだけでは水槽の溶存酸素量が足りない。
故に、エアーポンプでエアレーションが必要になる。
プレコはヒレが発達してないので酸欠になりやすい。
酸欠かどうか見極めるにはプレコのヒレの動きを観察するといい。
溶存酸素量が足りないと止まって休んでいてもヒレが速く動いている。
私が10年以上、様々な外部式を使ってきて一番難儀していたのはメンテナンス性。
まず、飼育対象がトリム系プレコともなると、それなりの大きさの外部フィルターを導入する。
その結果、濾材がスポンジやプラ製でも非常に重たくなる。
それに加えて外部式は、外からはフィルターケースの中身がよく見えない。
故に汚れ具合が判らなく、メンテナンスのタイミングを掴むことが難しい。
この問題は定期的に中身を開けてメンテナンスする習慣を付けられる人は大丈夫。
上部式フィルター
上部フィルターのメリット
上部フィルターの一番のメリットはメンテナンス性だろう。
ウールマットと濾材の汚れ具合が目視で判りやすい。
故に気軽にウールマット交換ができて清潔。
また、豊富な酸素を水槽内へ送ることができる。
我家は25㎝トリム系4匹+αを9045水槽で飼育しているが、エアレーションなしで生活している。
外部式は本体蓋の内部に基盤やモーターを埋め込んである。
故に基盤やモーターが故障すると、フィルター丸ごと交換になる。
それに比べると上部式はポンプユニットだけを交換すればOK。
より性能の良いポンプに交換してもいい。
2,000円程度で買える安価なポンプもあるし、外装は半永久的に使用できて経済的。
上部フィルターのデメリット
上部式フィルターは水槽の上に設置するので、水槽の中の掃除がし難くなる。
ただ、フィルター自体は外部式より掃除がし易いので、そこをどうとるか。
さらに強い水流が必要なプレコ飼育には上部フィルターだけでは水流不足になることが多い。
別途サーキュレーター(水流ポンプ)を用意する必要がある。
プレコ用フィルターまとめ
外部式と上部式は両者とも一長一短。
プレコ飼育はフィルターに合わせた運用方法で管理しなくてはいけない。
上部式は水槽の上、外部式は水槽の下に置く必要がある。
まず最初にそれらを考慮することが、フィルター選択の道標になると思う。
注意点は外部式フィルターだけだと確実に酸欠になるので、ディフューザーを取り付けるかエアーポンプでエアレーションが必要。
一方の上部式フィルターは水流不足になりやすいので、サーキュレーターの追加を検討したい。
【お薦め】プレコ飼育用のフィルター
最後に私がおススメする外部式と上部式フィルターを紹介する。
紹介するものは、初心者がトリム系プレコを幼魚から飼育するのに扱いやすい6036水槽まで使える安価な機種を紹介したい。
エーハイム 2213
エーハイム2213の特筆すべき特徴は、稼働音は無音で消費電力も低いこと。
欠点は濾材コンテナが洗いずらく、メンテナンス性も全体的に大変悪い。
価格は1万円程度。
外部式は水流が強いので45㎝水槽までなら水流を期待して設置できる。
60㎝水槽でも可能だが水流が弱く感じるようになるので、別途水流ポンプの追加を検討したい。
テトラ PVX-75
エーハイム2213と同価格ながら、気持ち水流が強い。
ろ材コンテナと呼び水機能が優れており、使い勝手が非常に良い。
メンテナンス性もエーハイム2213より遥かに良い。
若干可動音がして消費電力も気持ち2213より高いが気にならない程度。
個人的にこのクラスの外部では本機種をおすすめしたい。
価格は1万円程度。
コトブキ スーパーターボ トリプルボックス 600 7W サカナ用
コトブキの上部フィルターで、音が静かでポンプの寿命も長かった。
シャワーパイプだしメンテナンス性が非常に良い。
欠点は水流が弱くてサーキュレーターが必要。
さらに上部式の割には濾材容量も少ないことが欠点か。
60㎝水槽用の上部フィルターで考えると、コレ一台で濾過は十分足りてしまう。
何よりメンテナンス性がずば抜けて良いのでお勧め。
実売価格3,000円と非常にリーズナブルだが、サーキュレーター必須なので追加費用が最低∔5,000円は掛かる。
水流サーキュレーター
ロイヤルプレコやトリム系プレコは水流は強い方が良い。
故に、フィルターで水流が足りていてもサーキュレーターの追加をお勧めする。
トリム系水槽で重要なのは適合水槽サイズよりワンランク上げてチョイスすること。
洗濯機までいかなくても水流は激流の方がいい。
可能ならタイマーを付けて流量を時間でコントロールできるようにすると完璧。
NEWAウェーブ
おすすめのサーキュレーターはカミハタ製のNEWAウェーブ。
安価で耐久性があり、流通量が多いので入手もしやすい。
60㎝水槽でNWA3200、90㎝水槽ならNEWA5900がおすすめ。
リオプロップ
比較的古くからある水流ポンプ。
このシリーズ一部のモデルは、背面にチューブを取り付けることでエアレーションも同時にできる。
型番2000は消費電力も低くて60㎝水槽に丁度良い水流。
型番1000はエアレーション機能がないので注意。
SICCE 水流ポンプ
SUCCEの水流ポンプVOYAGER NANOは非常に静音で低消費電力で運用できる。
角度の自由が効き、ポンプのほぼ真下に水流を送ることもできる。
ただ、水流の威力は同価格帯のものと比べて弱い。
故に、補助スポットとして使うか小型水槽用と割り切りたい。
エアーポンプ
溶存酸素量は水流と同じくらいプレコの発育健康に需要。
特に外部式フィルターをディフューザーなしで使用している場合、エアレーションは必須。
用意するのはエアーポンプとエアストーンで安いもので3,000円。
ただ、エアーポンプは当たり外れが多く、粗悪品だと稼働音が気になったりするので注意が必要。