何度も水槽を立ち上げていると、水質が安定する過程を観察しながら予測できたりする。
また水質を五感で把握できるようになる。
大体外すことはなく毎回水槽が安定していくのだけれど、立ち上がった後でも水質は常に変化しているので油断できない。
特に管理を怠っていると水槽から臭いが出たり、急な生体の餌食いの悪さなど、水質と云うものは非常に繊細であり奥が深いものだ。
そんな水質に何か問題が起きたとき、原因究明への近道は試験薬による水質検査である。
水質に問題が起きなくても、検査値を常に目に見えるデータとして持っていたい。
そうすることによって、トラブルを予知して未然に防ぐことも可能だからです。
今回の記事では新たに試験薬を購入したので紹介します。
Red Seaの試験薬を購入
水質検査の試験薬と云えば、一般的にTetra社が普及している。
然し、個人的に精度の面からSera(セラ)かRed Sea(レッドシー)のものを調達する。
私が思う水質検査の試薬精度では、Red Seaが超精密、Seraが一般的、Tetraが一応という印象だ。
実際に基準としている精度の面では、海水魚専用と云ったイメージが強いRed Seaの検査基準は厳しく精度も細かい。
過去にSeraも使ったことがあるが、精度に対して比較的安価なのと密封性の高いガラス容器を採用していることが好印象だった。
この容器の蓋は非常に外しやすく便利だった。
下のリストは、SeraとRed Seaの試験回数と市場価格。
■Sera
- NO2テスト(亜硝酸)75回 1,700円
- NO3テスト (硝酸塩) 60回 2,000円
- NH4/NH3(アンモニア)60回 2,000円
■Red Sea
- MCP アンモニアテストキット 100回 2,700円
- MCP 硝酸塩/亜硝酸塩テストキット 50回 3,300円(2種類の試薬が付属。亜硝酸と硝酸塩を個別に計測できる)
アンモニア濃度を測るだけならRed Seaがお得感がある。
亜硝酸と硝酸塩は単独測定ならSera、セット測りならRedSeaがお得となるのだろうか。
ちなみにSeraの試薬は余る液と余らない液があり、品質差で測定回数に若干の差が出るらしい。
また、Red Seaの試薬には有効期限が記載されている。
Seraには「早めに使い切る」という記載だけで有効期限は明記されていない。
まあ、Red Seaのみに使用期限が明記されている理由は、厳密な品質管理と精度を誇るRedSeaらしいといったところか。
Red SeaとSeraでは、どちらがいいのか
今回、試験薬を買うに当たって当然ながらRed SeaとSeraでは、どちらがいいのか考えた。
検査項目のアンモニアと亜硝酸は、水槽立ち上げ時期やバランスを崩した時に検査回数が必要であって、水質が安定すれば普段は検出されなくなる。
然し、ろ材入れ替えや掃除の後に稀に亜硝酸が発生することもある。
そういう場合の対策として常にRedSeaで亜硝酸と硝酸塩を定期測定していれば、水質悪化のリスクを極力抑えれる。
この辺、Red Seaのみ硝酸塩と亜硝酸をセットで販売する理由に、水質管理の意図が配慮されているような気もする。
まあ、基本安定しちゃえば水替えのタイミングを計るのに硝酸塩検査メインでいいのかも知れないが。
硝酸塩のみを定期的に測定し続けたい場合、Seraのものを使えばコストが掛からない。
ただ、Red Seaも硝酸塩に特化した専用ケース付属の検査キットと、コストパフォーマンスが良い詰め替えキットも存在する。
とりあえず各メーカの測定範囲は下記である。
■Red Sea
硝酸塩 0−250ppm
亜硝酸塩 0−1ppm
■sera
硝酸塩 0−100mg/l
亜硝酸塩 0−0.8mg/l
測定範囲が広い方が細かく検出される。
プロの海水水槽で精密な検査結果を求めるならRed Sea一択となりそうだが、趣味の淡水水槽ならSeraの測定範囲でも十分だと思う。
個人的に楽しむ淡水水槽の場合、数値の精密さよりも、亜硝酸/硝酸塩が多少ある場合に確実に検出されるかを確かめたい。
ぶっちゃけ、精度無視で検出目的だけならTetra社の安価な試薬でも十分だ。
しかし、個人的にRed Seaを使ったことがないので経験と思って今回はRed Seaを購入した。
ただ、硝酸塩測定(NO3)の今後の買い足しではコストを考慮しSeraをチョイスしたいとも考えている。
実際に水質検査をする
購入したRed Seaの塩検査キットを実際に使用してみた。
測定方法は専用台紙の上にビーカーを乗せて真上から見て色を判断する。
この方法は海外の研究機関などでよく見る方式で、色の判定がしやすいのが特徴。
画像はミズタマンが生息する45㎝水槽で、アンモニア(NH3/NH4)を測定した。
餌が水中にある中では2時間放置で0.8といった感じだった。
スポイトで食べ残した餌を取り除き、1時間程度して再検査したらアンモニアは検出されなかった。
この結果から、Red Seaの検査キットは僅かな水質の変化を見逃さないことが実証できた。
翌日に亜硝酸測定もした。
どちらも0で検出されなかった。
硝酸塩は次回の各プレコレポートで提出する。
ここまでRed Seaの良いことばかり書いてきたが、不満もある。
それは、付属品のシリンジ(注射器)に関してメモリが5mlしかないこと。
通常のアンモニア検査はサンプル5mlが必要なので1回で足りるが、亜硝酸サンプルは16ml必要なので、試験管に4回サンプルを採取しないと16ml溜まらないので手間が掛かる。
この対策として個人的に使っている10mlのシリンジを使用している。
水質検査キットに思う事
最後に水質検査キットは常備していた方がよいのだろうか。
最低でも、NH4/NH3(アンモニア)、NO2(亜硝酸)、NO3(硝酸塩)の試薬3種は持っていた方がよいと思う。
理由は測定して把握することで水質管理を確実に行えるから。
アンモニア検査に関して、プレコは餌を食べるのが遅い。
就寝前に餌を投入して翌朝確認といった人も多いのではないだろうか。
また、プレコは爆食いで糞の量も多いので、定期的にアンモニア検査も水槽立ち上がり後に必要だと感じる。
さらにプレコは水質にうるさい種であるのは有名な話。
亜硝酸や硝酸塩も出来る限りチェックしていき、的確なタイミングで水替えを継続して病気のリスクを少しでも減らしたい。
それが飼育者の義務ではないだろうか。
ベテランが起こす水質事故は、目に見えないものを経験と勘に頼ることにあるのではないだろうか。
以上を踏まえ、慎重に勘に頼れば大丈夫だと貴方は思うのか。
然し、それは真の意味で盲目であると私は考える。
何故なら、勘に頼っている時点で既にミスをしているからだ。
コメントを残す